2019年10月1日
JSAPS調査委員会
日本美容外科学会(JSAPS)では調査委員会を立ち上げ、日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)の協力を得て、国内の美容医療実態調査を行った。第1回調査では2017年分の調査を行い、2019年2月に最終報告を行った。第2回の本調査では、2018年1月1日から12月31日までに行われた美容医療の施術数(症例数ではない)を、治療種目別および男女別に調査した。1症例に2種類以上の施術を同時に行ったり、2018年中に複数回の治療を行った場合には、それぞれを個別にカウントした。
調査委員・アドバイザー(50音順):岩波正陽、加藤晴之輔、佐藤英明、杉本 庸、高田章好、高柳 進、矢永博子、山下理絵、吉村浩太郎(委員長)調査協力:日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)
本調査は、美容医療実態の透明化を進めることを通して、社会からの理解と信頼を深めることを目的とした。結果的には、我が国における美容医療全体の発展、ならびに美容医療の質の向上に寄与することが期待される。ISAPSが行う国際的実態調査に、日本の実態調査分を提出して貢献することも、あわせて目的とした。
JSAPS、JSAS、JSADの会員医療機関すべて、および前記3学会の非会員であるが美容外科もしくは美容皮膚科を標榜している医療機関をリストアップして、そのすべてを調査対象とした。総数は、3,000機関であった。うち1,060機関分は、JSADに調査依頼文書の送付を依頼した。
連絡用Eメールアドレスがある医療機関にはEメールで、ない場合には郵送で、調査を依頼した。調査回答は、Web入力、Eメール送信、郵送、もしくはFAX送信で、受け付けた。調査回答の回収は、2019年2月および3月に行い、4月以降に回答のあった一部医療機関の回答も併せて集計した。
国際美容外科学会(ISAPS)が毎年実施している美容医療調査項目を土台に、日本の実態をより反映できるようにJSAPS調査委員会でアジア人に特徴的な細目などを追加した調査用紙を使用した。第1回調査に、さらに3つの追加分類項目を加えた。
1)調査対象医療機関の分布
東京都(751件)が最も多く約25%を占める。島根県(5件)が最も少ない。人口あたりの医療機関数を分析すると、やはり東京都が最も多く、人口18,000人あたりに1件の美容医療機関が存在する、大阪府、福岡県、沖縄県、兵庫県、奈良県、岡山県の順に、美容医療が盛んに提供されていることが示された。一方、美容医療過疎地としては、島根県が最も少なく、人口138,800人あたりに1件である。山形県、秋田県、青森県、三重県、福島県、岐阜県と続き、山陰地方、東北地方、中部地方に過疎地が多いことが示された。
2)調査回答の回収率
調査対象3,000院中の、448院(回答率14.9%)より回答を得た。回答医療機関の内訳は、JSAPS会員医療機関184院(他学会との重複を含む、448院中の41,1%)、JSAS会員医療機関164院(他学会との重複を除く、521院中の36.6%)、JSAD会員医療機関72院(他学会との重複を除く、8.6%)、その他28院(2.7%)、であった。
3)回答の集計(添付資料参照)
調査回答448院分の各施術項目別の合計を資料に示す。2018年全美容施術数回収分の合計は、1,707,363 (昨年は1,603,318) 件であった。その中で、外科的手術271,455(昨年は282,027)件の内訳は、顔面・頭部が207,826(昨年217,163)件、乳房が12,597(昨年14,523)件、四肢が51,032(昨年46,821)件であった。一方、非外科的施術1,435,908(昨年1,334,861)件の内訳は、注入剤(乳房を除く)が408,323(昨年409,788)件、顔面若返り関連が489,538(昨年418,790)件、その他(脱毛や再生医療など)が538,047(昨年496,233)件であった。
本調査は毎年2-3月に行う予定であり、年次を重ねることにより、より信頼性の高い統計および分析結果が得られるるとともに、時系列による傾向・嗜好の変化など、多くの情報が収集できると予想される。末筆ながら、回答に協力していただきました医療機関に感謝いたします。
以上
<本件に関するお問い合わせ>
日本美容外科学会(JSAPS)調査委員会事務局
survey@jsaps.org
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