第7回全国美容医療実態調査 最終報告書(公開版)
(注意:本内容の利用についてはJSAPS調査委員会の許諾を必要とします。)

2024年07月15日
JSAPS調査委員会
事務局(春恒社内)
survey@jsaps.org
TEL:03-5291-6231
FAX:03-5291-2176

1.調査概要

日本美容外科学会(JSAPS)では調査委員会を立ち上げ、国内関連4学会の協力を得て、国内の美容医療実態調査(実施数調査を意味する)を行った。第1 回調査では2017 年分の施術数調査 を行い、2019年2月に最終報告を行った。第7回の本調査では、2023年1月1日から12月31日までに行われた美容医療の施術数(症例数ではない)を、治療種目別および男女別に調査した。1症例に 2種類以上の施術を同時に行った場合や、2023年中に複数回の治療を行った場合には、それぞれを個別にカウントした。
調査委員・アドバイザー(50 音順):大竹尚之、加藤晴之輔、酒井直彦、佐藤英明、高田章好、高柳進、宮田成章、吉村浩太郎(委員長)
調査協力:日本美容外科学会(JSAS)、日本美容皮膚科学会(JSAD)、日本形成外科学会(JSPRS)、日本皮膚科学会(JDA)

2.調査目的

本調査は、美容医療実態の透明化を進めることを通して、社会からの理解と信頼を深めることを目的とした。結果的には、我が国における美容医療全体の発展、ならびに美容医療の質の向上に寄与することが期待される。ISAPS が行う国際的実態調査に、日本の実態調査分を提出して貢献することも、あわせて目的とした。

3.調査対象

JSAPS、JSAS、JSAD の会員医療施設すべて、および前記3 学会の非会員であるが美容外科も しくは美容皮膚科を標榜している医療施設をリストアップして、そのすべてを調査対象とした。さらに、日本形成外科学会および日本皮膚科学会の研修プログラム基幹施設(それぞれ89施設、108施設)も調査対象とした。メールで 4,185件、郵送で1,003件(無効返送を除く)、総数は、5,188施設であった。

4.調査依頼、回収方法

連絡用E メールアドレスがある医療機関にはEメールで、ない場合には郵送で、調査を依頼した。調査回答は、Web回答のみで、受け付けた。調査回答の回収は、2024年1月1日より3月31日まで行い、集計した。

5.調査項目

国際美容外科学会(ISAPS)が毎年実施している美容医療調査項目を土台に、日本の実態をより反映できるようにJSAPS 調査委員会でアジア人に特徴的な細目などを追加した調査用紙(73施術種別)を使用した。
施術ごと、および性別ごとの集計結果は、JSAPS版を作成するとともに、ISAPS版も作成し、 ISAPSに日本のデータとして提出した。

6.調査結果

1)調査回答の回収

調査対象 5,188件中、145件、317院より回答を得た。

2)回答の集計(資料1)

調査回答の各施術項目別の合計を、2017年からの比較を含めて資料1に示す。2023年全美容施術数回収分の合計は、2,972,228件(前年は3,271,059件)であった。その中で、外科的手術361,612件 (12.2%)(前年は371,589 件、11.4%)の内訳は、顔面・頭部が315,991(前年303,360)件、乳房が6,556(前年19,252)件、四肢・躯幹が39,065(前年48,977)件であった。調査年により、いくつかの施術を非外科施術として取り扱うことにしたため(ヒアルロン酸注射豊胸や非外科的腋臭症治療など)、比較には注意を要する(文末資料の項目として明示されているので参照していただきたい)。

一方、非外科的施術2,610,616件(87.8%)(前年2,899,470件、88.6%)の内訳は、注入剤(乳房を含む)が910,194件(38.4%)(前年1,067,977件、32.6%)、顔面若返り関連が936,764件(39.5%)(前年1,031,361件、31.5%)、その他(脱毛や再生医療など)が 763,658件(32.2%)(前年800,132 件、24.5%)であった。

あとがき

本実施数調査は毎年1~3月に後ろ向き調査として行っており、年次を重ねることにより、より信頼性の高い統計および分析結果が得られるとともに、時系列による傾向・嗜好の変化など、多くの情報が収集されている。回答医療機関は、毎年、同じIDとパスワードでログインしてweb回答できるようなっている。
末筆ながら、実態調査に協力していただきました各医療機関に感謝いたします。